ベテランAIの権限設計は、ひとつの目的から出発している。属人性の排除だ。「これは誰に見せていいですか」といちいち人に判断を仰いでいたら、人に聞かずに答えに辿り着くために作ったはずの製品が、目的を達成できない。

012択から、自由なロールへ

初期のナレッジ公開範囲は「全員」か「オーナーのみ」の2択だった。実際に使ってみると、その中間——役員には見せたい、この案件のメンバーには見せたい——が必要だと分かり、指定メンバーへの公開が追加された。実際に使う中で、判断を人に仰ぐ場面が残ることに気づいて足された機能だ。

現在はさらに進んで、営業マネージャー・外部顧問といった会社ごとのカスタムロールを定義して割り当てられる。ファイル単位で機密レベルを設定することもできる。「この情報は、どの役割の人まで引き出せるか」を、会社側が自分の言葉で決められる形になった。

02保存の前に、確認が入る

メンバーがファイルを保存しようとすると、オーナーに通知が飛び、許可するかどうかを選べる。ナレッジに入る前の関所だ。入ってしまってから消すのではなく、入る前に見る。

03会社の外に、漏らさない

  • テナント分離 —— 会社ごとにデータを分離。開発の初期から「別の会社の情報が混ざって出たら終わり」を最重要の確認項目にしてきた
  • 招待制 —— 会社アカウントは招待URLからのみ発行。URLは一度使うと無効になる
  • 二段階認証 —— オーナー・管理者は必須(認証アプリ/メール)。一般ユーザーにも広げていく方針

権限は、後から足すと必ず穴が出る種類の機能だ。だからベテランAIでは、新しい機能を足すたびに「これは誰が見られるべきか」を仕様の一部として決めている。ナレッジが増えるほど、この設計の効き目は大きくなる。

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